[本を読む]
もつれた糸を解きほぐすように、
不調の原因を解き明かしてくれる
突然くしゃみが止まらなくなってしまった。
夜寝る前のこと。はじめ「花粉症だね」「この部屋、なんかアレルゲンがあるんだね」などと言ってくれていた夫もやがて「我慢してみたら」とか「ふざけてるんじゃないの」とあきれ顔。
水を飲んだり、息を止めてみたり……いやいやコレはしゃっくりの対応策なんだけど……と思いつつマスクをして横になってみたら徐々に収まり、その日は疲れ果ててスッと眠りにつくことができた。
何だったんだろう?
翌日ちょうど皮膚科に行く予定があったので、花粉症の先生に相談してみると処方してくださったのが漢方薬だった。効能を読むと〈余分な水分を取り除く〉とある。ハテナ? お肌はいつも乾燥気味だし、何かの間違いでは? と、飲むこともせずほったらかしに(先生ごめんなさい。私はダメな患者です)。
そんな時、偶然この本に出合った。すると〈花粉症の原因は「水分の摂りすぎ」と「春のカゼ」です〉と書かれているではないか。えーっ、ナニコレ神の啓示か⁉ 吸い込まれるように読み進めていた。
もとより漢方薬とは近しい間柄ではあった。
というのも思春期、おでこに扁平イボなるものが沢山でき、大学病院に通い詰めコントのような太い注射や様々な薬を山ほど試したが一向に治らない。最後に先生が処方してくださったのが漢方薬。「治ると信じてこれを飲んでください」と念をおされ、半年後。突然患部がほてって赤くなり噓のようにスーッと無くなったのである。以来私の中には、ありがとう、漢方薬万歳! という気持ちが刷り込まれている。
これまでとるに足らないことだとやり過ごしてきた様々な体の不調に、この本はそれこそ診察するように向き合ってくれる。そしてもつれた糸を解きほぐすように原因を解き明かしてくれるのだ。まさに目から鱗の落ちる思い。もう若くないのに効率とかタイパに振り回されていた自分に苦笑い。ゆったりとした時間の流れに気づかされる一冊だった。
城戸真亜子
きど・まあこ●洋画家





