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アンジー・ラ・コケット チーム
オッドアイの白猫アンジー 本の世界へ旅をする⑪

[表紙&連載]

オッドアイの白猫アンジー 本の世界へ旅をする⑪

「この夏、あたしは小さな隣人たちと、
秘密の約束を交わしたの」

 おしゃれでちょっぴりツンデレなオッドアイの白猫アンジー。今月、彼女が訪れているのは、神秘的な気配をまとった夏の森。旅のおともは一冊の「幻想小説」です。この本、元々は「夏に怖い話を読むと涼しくなるらしい」という話を聞いて読み始めたものですが、そこに綴られていたのは〝背筋を凍らせる恐怖〟ではなく、木々や風と暮らすイタズラ好きな妖精たちの愛らしい姿。読み進めるうちに彼らにすっかり魅了されたアンジーは、「これは逢いに行かなくちゃ!」とお気に入りのサマードレスを着こみ、この森へやってきたのです。
 都会の喧騒が噓のように静まりかえった森の小径こみち。見上げれば幾重にも重なる木の葉が天然のステンドグラスのように陽光を透かし、見下ろせば深い緑の苔が広がっています。さらに奥へ進むと、水晶のように澄みきった小さな泉が現れました。そのあまりの美しさにうっとりと瞳を細め立ちつくしていると、どこからか「くすくす」と鈴を転がすような音が聞こえてきます。けれど、そちらを見てみても木々がザワザワと葉を鳴らしているだけ。かと思えば足元の草が不自然にゆらぎ、風がそっと柔らかな白い毛をなでていきます。姿は見えなくてもそこにある確かな気配。「本当にイタズラ好きなのね」と独りごち、アンジーは何もない中空に向かって語りかけました。
「ねえ、あなたたち。視えているわよ?」
 刹那。ピタリ、と風音が止まった……かと思えば次の瞬間、ザワザワザワと森は大騒ぎ! その慌てふためいた様子に、アンジーは思わずふき出してしまいます。
「あはははっ。ウソよ。でも、あたしたち、いいお友だちになれると思わない?」
 イタズラにはイタズラを。ウィンクしながらにっこりと笑うアンジーの耳に、またも森の大きなざわめきが聞こえてきました。
 夕闇が迫るころ。森の出口へ向かうアンジーの頰を、ふわりと心地よい風が包みこみます。「ふふ、またお話ししにくるわね」、そう言って微笑む彼女の耳元には、妖精がそっと飾った〝約束の証〟である、小さな野の花が優しく輝いていました。
 来月は旬を味わう「料理の世界」を旅するアンジーをお送りします。お楽しみに♪

アンジーとは?

好奇心旺盛で可愛いものや美味しいものが大好きなオッドアイの白猫。たまに失敗をして落ち込むこともあるけれど、毎日をハッピーに過ごしています。緑豊かな自然が大好きで、最近のお気に入りは森で楽しむ美味しいおやつ♪ SNSで毎日イラスト投稿中!
X:@AngieLaCoquette/Instagram:angie_la_coquette

KaZoo(イラスト担当):アンジーのイラストを手がけるイラストレーター。/ Toro*Kon(言葉担当):アンジーの言葉とメッセージを担当しているクリエイター。

『麗しのアンジー ネコよみくじ 花』

アンジー・ラ・コケット チーム 著

単行本・発売中

定価1,210円(税込)

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