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自然の声に耳を傾け、心の目で見る美しさ
山、川、草、花、大地に根付くもの、全てに命が宿っている。日本に住む私たちは、無意識のうちに、そう信じて育ちました。新幹線の席は、富士山が見える窓際の席から埋まっていき、東京から新大阪に向かう時は新富士駅を通過したあたりで一斉に右側を向きます。初冬は雪の冠を被り、冬が深まると、雪化粧で華やぐ富士山は、日本のシンボルである前に、みんなの守り神。私たちは富士山を見ただけで「何かいいことありそう」と素直に思える、めでたい人種なのです。
毎日、ごはんをいただく前は「いただきます」と、見えない生命に感謝し、何気なく横に寝かした箸で「食材の命を頂戴します」という気持ちを表します。教育というよりも、自然に身についた感謝の気持ちは、日本人の生活にも根付き、私たちの心を豊かにしてくれているのです。「礼」の旧字体は「禮」。文字通り、心が豊かになることに礼を捧げて、私たちは日々、小さな幸せを迎え入れているのかもしれません。
アレックス・カーさんが見る「ディープ」な日本には、自然に対する、日本人の感謝の気持ちがちりばめられているような気がしました。修験道の霊場に宿る神に感謝し、教えを具現化した仏像や、山の精霊の息吹きを感じる空間。実際に、現地に足を運び、自然の声に耳を傾け、心の目で見る美しさに感動できるカーさんだからこそ、静かに受け継がれてきた、日本の真の奥深さに気づかれたのでしょう。
私も、カーさんのように、もっともっと日本を知りたい。ディープな日本に飲み込まれてみたい。心が豊かになるような時間を重ね、「ありがとう、日本」と、感謝の気持ちを素直に伝えられる人間に成長したいと思いました。
奥行きのある言葉と写真で伝える、知られざる日本の美。たくさんの気づきをありがとうございました。
はな
はな●モデル





