[連載]
[第17回] 「白髪」「薄毛」「若作り」と戦う
50代、悩める髪の毛問題

先日、前髪を作りました。その日の私はきっとテンションが高かったのでしょうね。美容師さんからの「前髪、どうします?」の問いかけに「作っちゃおう」とノリで回答。「何年ぶりだろう」と年数を数えてしまうくらい、前髪を作るのはかなり久々だったんですけど、これがなかなか好評でね。バナナマンの
ただ、作ったら作ったで前髪は面倒臭い。メイクさんに毛先をクルンとアイドルみたいに巻かれてしまい、「どうしたら、相手を傷つけずに済むか」と考えながら「もっと自然な感じに直してほしい」のお願いをしなくてはいけなかったり……。そもそも、この年齢になると、前髪はちょっと怖い。上手くいけば〝若返る〟けれど、下手したら〝若作り〟になるし、私の顔の造形だとイルカさん(歌手のほう)になってしまう可能性もあるわけで。ちなみにイルカさんは、あの髪型キャラを確立しているので若作りでも何でもない、なんなら年齢とは無縁の世界で生きてる方ですからね。
いつまでも若く見られたいけど、痛々しいおばさんにはなりたくない、そんな中年の気持ちを理解してくれたうえで、私の髪の毛を良い
ユリちゃんのお店に通い続けているのは、基本的に美容院が苦手っていうのも理由のひとつ。知らない人から話しかけられるのもだけど、オデコ丸出しだったり、ビショビショに濡れていたり、鏡の中のイケてない自分を眺め続けるのも美容院の苦痛ポイント。でも、個人経営のユリちゃんのお店はスタッフが彼女一人だけだから。誰の目も気にすることなくくつろげるんですよ。気になる時事ネタだったり、親の介護話だったり、同年代トークができるのも楽しくて。ただ、同年代だからこそ「あれ、なんだっけ?」の瞬間もやたら多くてね。そのたびに手が止まるのだけは困りもの。だからこそ、時間がないときはリアクションをできるだけ薄めに。「早く切れ」の空気を醸し出すように心がけております。
ここまで読んでお気づきの方もいるとは思いますが、私はあまり髪型にこだわりがありません。もともと、毛量が多いせいか思い通りにならないことのほうが多くて。ボブにすれば〝ヘルメット〟、三つ編みをすれば〝しめ縄〟、高校3年間はトップ部分だけをゴムで結ぶ〝ちょんまげ〟スタイルを貫き、大学時代は東京に染まりたくてソバージュに。それもまた、ふくらんで大変なことになっていました。だからこそ、カットもヘアアレンジも潔くプロの手に委ねるというか。ヘアアイロンを買ったのも本当に最近。それまで、濡れた髪を乾かすためのドライヤーを一台持っているだけでしたからね。
そんな私ですが、50代に突入してからはアンチエイジングにおいて髪はとても重要と痛感。さすがに髪の毛に気を遣うようになりました。今一番の問題は40代になってから急に増え始めた白髪です。うちの相方の
髪の毛のボリュームとツヤだけでマイナス4~5歳の効果を得られると強く感じる今日この頃。テレビに出るときは「これでもか!」ってくらい高温のヘアアイロンで挟んでツヤツヤにするし、髪が死にかけたらユリちゃんのお店へ行き魔法のトリートメントで復活の儀式を施す。年々、女性の髪も細く薄くなっていくからシャンプーもスカルプケアに特化したものを使用。前髪を作ってみたり、髪をいたわったり、少しでも若々しくいたいと願う私ですが、この年齢になって親に感謝したことがひとつ。それは「毛量多く生んでくれたこと」。若い頃はこの毛量がコンプレックスで仕方がなかったからこそ、当時の自分と同じように悩んでいるであろう若者を見かけるたびに思いますからね。「大丈夫、将来あなたたちが勝ちますから!」って。剛毛多毛に優しい

聞き手・構成=石井美輪
イラストレーション=中村桃子
大久保佳代子
おおくぼ・かよこ●タレント。
1971年5月12日生まれ、愛知県出身。千葉大学文学部卒業。1992年、幼なじみの光浦靖子と「オアシズ」結成。「めちゃ×2イケてるッ!」でのブレイク後、バラエティ番組にとどまらず、コメンテーターや女優としても活躍している。近著にエッセイ集『まるごとバナナが、食べきれない』(集英社)、『パジャマあるよと言われても』(マガジンハウス)。





