[連載]
第15回カバーアーティスト
miyacoさん
「恐竜」をモチーフにした
少年時代の物語
miyacoというペンネームで普段からイラストを描いています。最初にモチーフを選び、それをストーリーに落とし込んでいく、というやり方で描いていて、表紙の作品のモチーフは「恐竜」でした。iPhoneの絵文字の恐竜がすごくかわいくて好きなんです。それが青色の恐竜なので、色は青にすると決めていました。
スマートフォンの真ん中に描いた恐竜の「青」を起点に、膨らませていった感じです。青から派生する身近なもの……と考えていって、机の上にあったおもちゃのバス、青緑の葉っぱ、愛嬌のあるじょうろ、とつながっていきました。
完成形を固めてから描くのではなく、描きながら、色や大きさ、配置などを調整しています。描く過程で偶然生まれるものを大事にしているという感じでしょうか。全体のストーリーとしては、誰かの少年時代をふんわりとイメージしました。
モチーフは恐竜ですが、それを前面に出さないようにしたのは、主役がわからないような絵に惹かれるからです。見る人によって主役が変わるような、見るたびに発見のあるような構成の絵を目指しています。
昔からぎゅっと密度が高いものが好きで、チラシやパンフレットをずっと見ていました。絵を描いたり、写真をコラージュしたりするのも好きですが、ストーリーをよりダイレクトに伝えたいという気持ちが強くなり、映像への興味が高まっています。大学院に進んで勉強して、将来は映画を撮りたい。それが今の目標です。
聞き手・構成=砂田明子
<藝大生に聞く!Q&A>
Q 好きな本
『まほろ駅前多田便利軒』(三浦しをん 著)。高校生の頃から何度も読んでいる本です
Q 興味のあること
映画史。日常を描いた映画作品が好きです
Q 憧れのアーティスト
アルフォンス・ミュシャ
Q 東京藝大はどんな大学か
仲間がたくさんいるところ
Q 今後の展望
軸をブレずに保つ
miyaco
みやこ●2001年生まれ。
神奈川県出身。東京藝術大学美術学部デザイン科4年。
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