青春と読書 本の数だけ、人生がある。 ─集英社の読書情報誌青春と読書 本の数だけ、人生がある。 ─集英社の読書情報誌

定期購読のお申し込みは こちら
年間12冊1,000円(税・送料込み)Webで簡単申し込み

ご希望の方に見本誌を1冊お届けします
※最新刊の見本は在庫がなくなり次第終了となります。ご了承ください。

連載/本文を読む

集英社オレンジ文庫10周年記念企画
大友花恋 柑橋の文字をかじる⑧
『あやかし開化の音がして 降魔の家に嫁に行く』尼野ゆたか 著

[連載]

集英社オレンジ文庫10周年記念企画
柑橋の文字をかじる

⑧尼野ゆたか 著
『あやかし開化の音がして 降魔の家に嫁に行く』

発売中・集英社オレンジ文庫
定価825円(税込)

 怖いものが苦手である。
 小学生の頃。のっぺらぼうや口裂け女などの怪談話を聞いたあとは、母にトイレまでついてきてもらった。今でも、自分が出演したホラー作品でさえ昼間にしか見られない。怪談話やホラー作品に登場する妖怪は、得体が知れない上に、人間を騙したり危害を加えたりする、恐ろしい存在だからである。
 この小説の舞台は、明治維新の直後の日本。
 妖怪のなかでも海外からやってきた怪異「洋怪ようかい」にまつわる厄介事を、隠密のうちに解決する政府の部署「妖務課ようむか」で働くことになった明子あきこの物語である。
 面白いのは、明子が、事件に不可抗力で巻き込まれていく「か弱い」悲劇のヒロインではないという点。彼女は、武術で名を轟かせた甲州こうしゅう武家・四方津しおつ家の当主である。父親が明治維新の薩長土肥さっちょうどひとの戦いで姿を消したことが発端で、彼女も家を離れ、父親の信念を心に受け継ぎながら、一人東京で生き抜こうとしている。幼い頃から、進んで武士としての手ほどきを受け、鍛錬してきた彼女は、妖務課で働く才能を見出され、自らの意思で「洋怪」と向き合っていくことを決めたのだ。
 性別も身分も、かつての敵味方も、自分の信念で弾き飛ばし正しく進んでいく明子を見ていると清々すがすがしい気分になる。(抜粋)

集英社オレンジ文庫10周年アンバサダー・大友花恋さんによる作品紹介の続きは、公式HPに掲載。ぜひ、ご覧ください。
https://orangebunko.shueisha.co.jp/book/kankitsu_no_moji

大友花恋

おおとも・かれん●1999年10月9日生まれ、群馬県出身。
雑誌「Seventeen」で専属モデルを務め、現在は「MORE」専属モデルとして活動中。「今日、好きになりました。」(ABEMA)ではレギュラー見届け人を務める。近年はドラマ「正しい恋の始めかた」(EX系/2023年)で主演を務め、ドラマ「フィクサーSeason3」(WOWOW/2023年)、「トークサバイバー2」(Netflix/2023年)、「厨房のありす」(NTV系/2024年)などに出演。

『ハナコイノベル。』

大友花恋 著

集英社オレンジ文庫・発売中

定価 1,100円(税込)

購入する

TOPページへ戻る