「大切な人から大切なあたしへ。
そしてまた誰かへ。
愛と優しい物語をつないでいくの」

　おしゃれでちょっぴりツンデレなオッドアイの白猫アンジーが旅する本の世界。今回は「童話」のエピソードをお送りします。
　アンジーが読んでいる童話の絵本。それはグランマから受け継いだママンがとてもとても大切にしてきたもので、アンジーにも幼い頃から読み聞かせてくれていた物語です。そこに描かれているのはハラハラドキドキの冒険と、苦難を乗り越えるべく戦う家族や仲間たちの絆。そして迎えるあたたかくてキラキラしたクリスマスの夜。
　アンジーは幼い頃からこの物語、そしてそこに描かれたクリスマスの夜が大好き！ それを知っているママンはクリスマスには必ず家族そろって過ごす小さなパーティーを開いてくれていました。それは絵本とともにアンジーの幸せな記憶として、大人になった今もず〜っと心の深く柔らかい場所に、大切に大切にしまわれている思い出です。
　この本がいま、アンジーの手元にあるのはママンが、「次はあなたが大切にしてあげてね」とこの本を手渡してくれたから。それはアンジーが親元を離れ独り立ちする日の前の晩。小さな、けれどとっても優しいホームパーティーでのことでした。

「ホッとするあたたかな時間。あたしの中に刻まれた、それはまるで絵本の世界」

　そんな大切な童話を、今日はアンジーが近所に住む双子の仔猫、ルーとリラに読み聞かせてあげています。かたわらにはキラキラしたツリーとキャンドル。薪ストーブではあたたかな火がパチパチと音を立て、テーブルの上には手づくりのごちそうがずらりと並び、大切な仲間たちの笑顔も広がっています。それは大人になったアンジーが描く幸せの物語。アンジーは大切な物語だけでなく、そんなあたたかなクリスマスの過ごし方も受け継いでいるのですね。

　来月は「ショコラの本」の世界を旅するアンジーをお送りします。
　ぜひご覧ください♪