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青春と読書×藝大生コラボレーション
第21回は、大学院美術研究科デザイン専攻1年の作品
感電していても、肯定してくれるうさぎ

[連載]

第21回 カバーアーティスト
高橋しずくさん

感電していても、肯定してくれるうさぎ

 表紙の作品は「どんなときも肯定してくれるうさぎ」です。
 藝大を目指す学生が通う予備校で講師をしていたときに作りました。受験が近づくと、講師たちが学生のために、〝応援グッズ〟を作る習慣があるのです。何を作るかは自由です。私は、月にはうさぎがいると言われるから、ツキを呼ぶうさぎはどうだろう……と、自分がうさぎ好きなのもあって、思いつきました。
 表紙の写真からは伝わりづらいかもしれませんが、実際は樹脂でできているので、握ると柔らかいです。意外性がありつつも、受験生たちが手で触ってもリラックスできるようにと、「人肌のゲル」という樹脂を使いました。
 うさぎの体の中には、骨を入れています。アニメや漫画で、感電したときの表現がありますよね。ビビビ、というあの感じを出せたら面白いなと思ったのです。というのは、このうさぎ、実は写真に写っていない側の手で「グッドサイン」をしています。感電していても、それでも肯定している!つまり、どんなときでも肯定してくれるうさぎ、です。ちょっと後付けですが。
 自分でもこの作品を気に入っていて、色を付けたり、骨なしにしたりと、シリーズ化しています。私の部屋にはたくさん、肯定うさぎがいます(笑)。藝大の文化祭で販売もしました。
 もの作りが好きなのと同時に、憧れのディック・ブルーナのように、グラフィックデザインにも興味があります。大学院に進んだので、これからも勉強を続けていきます。

聞き手・構成=砂田明子/撮影=木内章浩

<藝大生に聞く!Q&A>

Q好きな本
『偶然仕掛け人』(ヨアブ・ブルーム 著)

Q最近興味のあること
リソグラフ

Q憧れのアーティスト
ディック・ブルーナ/中村至男

Q東京藝大はどんな大学か
自由な大学

Q今後の展望
修了作品展で自分の作りたい作品を作ります!

高橋しずく

たかはし・しずく●2001年生まれ。
福島県出身。東京藝術大学大学院美術研究科デザイン専攻1年。
Instagram/@rooooooooooope

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