青春と読書 本の数だけ、人生がある。 ─集英社の読書情報誌青春と読書 本の数だけ、人生がある。 ─集英社の読書情報誌

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青春と読書×藝大生コラボレーション
第12回は、絵画科3年の作品
絵に向き合って、こんな世界があるのかと震えた

[連載]

第12回カバーアーティスト
はらだつぐみさん

絵に向き合って、
こんな世界があるのかと震えた

「青春と読書」の〝青春〟と、9月号ということで、〝芸術の秋〟という言葉がパッと頭に浮かんだので、その二つを組み合わせて制作しました。
 自分のなかで根源的なものが青春だと、私自身は思っています。それで自然に、絵を描いている人間が出てきました。
 高校時代は語学や言語学に興味が向いていて、美大に進もうとは思っていませんでした。ただ、幼少期から絵を描くのは好きだったので、体験として、美大を受けるための予備校に行ってみたのです。そこで初めて本当に絵画と向き合って、こんな世界があるのかと震えました。じっくりと物を観察し、長い時間をかけて一枚の絵を突き詰めていく。その果てのない世界に、自分も飛び込んでみたいと思ったのです。
 その時に受けた衝撃が、制作の原動力になっています。一方で、大学に入ったものの、この先、長い道が続いているということもわかって、目標の場所にたどり着けるのだろうかという不安と、同時に先の景色を見てみたいという期待感が入り混じった心象風景が、こうした絵になりました。
 絵には日本画の技法を用いています。和紙を貼り、岩絵具を用いて、立体感や柔らかい表情を出しました。これは尊敬している先輩の技法を真似しました。大学では先生や先輩方から、刺激を受けています。自分を広げ深めながら、一歩ずつ、自分だけの道を歩んでいきたいと思っています。

聞き手・構成=砂田明子/撮影=木内章浩

<藝大生に聞く!Q&A>

Q 好きな本
『精霊の守り人』(上橋菜穂子 著)

Q 興味のあること
語学、言語学

Q 憧れのアーティスト
Scott Benson、齋藤愛未、二木真希子

Q 東京藝大はどんな大学か
絵や芸術に関することはもちろんのこと、それ以外の分野についても能動的に動けば学べる機会がたくさんあり、自分の世界を広げられる場所

Q 今後の展望
今まで周りの環境や人々からいただいてきた感動を、作品を通して還元できるようになりたいと思っています

はらだ・つぐみ

はらだ・つぐみ●2002年生まれ。神奈川県出身。東京藝術大学美術学部絵画科3年。
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