[連載]
第2回カバーアーティスト
齊藤はるのさん
デザインも実用も追求したい。
長く座るための椅子、手作りしました
「椅子」は大学の課題で作ったものです。その椅子を本と共にカメラで撮って、表紙の作品にしました。
“栗の木の角柱から手作りの椅子を作る”、という課題が出されたとき、自分はどんな椅子がほしいかなあと考えたんです。ちょうど家に新しい本棚を置いたので、ゆっくり本を読んだり、踏み台にもなりそうな、背の高めの椅子が思い浮かびました。
長く座っていられるように、座面をちょっと湾曲させたところ、シンプルながらも脚の形にデザイン性を持たせたところが、自分なりのこだわりです。
制作過程では、木を削るのも、
工芸を専攻したのは、立体が好きだったからです。モノの手触りが好きで、ずっと触っていたい、という気持ちになりますし、そういう気持ちになるモノを作りたい。
ただ、座りやすい椅子を目指したように、実用的でなければダメだとも思っています。同時に、美しくありたい。デザインと実用、どちらかを選べなかった人が進むのが工芸かもしれません(笑)。私も二つを追求していきたいと思っています。
聞き手・構成=砂田明子/撮影=木内章浩
<藝大生に聞く!Q&A>
Q 好きな本
『松本隆 言葉の教室』
Q 興味のあること
色・ことば・音
Q 憧れのアーティスト
美大を目指すきっかけになった、羽海野チカ先生
Q 東京藝大はどんな大学か
幼稚園。やりたいことをやれる、サポートと道具のある場所
Q 今後の展望
興味、好奇心を満たして生活していたいです。今は雑誌という形態も気になっています。何かポジティブなことを伝えられる人でいたいです
齊藤はるの
さいとう・はるの
2000年生まれ。神奈川県出身。東京藝術大学美術学部工芸科鋳金専攻2年。Instagram(@hano3131r)