[寄稿]
集英社文庫の大ヒット恋愛小説、
Netflixにて映像化!
桜のような僕の恋人
2017年の発売以降、累計60万部超の大ヒット恋愛小説『桜のような僕の恋人』(集英社文庫)が映像化され、3月24日からNetflixにて全世界独占配信されます。Netflix初出演となる中島健人さんが、主人公であるカメラマンの卵・朝倉晴人役を、ヒロイン・有明美咲役は松本穂香さんが熱演されています。“桜の花”のように刹那的なふたりの純愛物語を、ひと足先に一部ご紹介します。
原作者・宇山佳佑さんのコメントとあわせてお楽しみください。
以前から原作のファンだったという中島さんは、「役者人生の中で一番泣いた宝物のような脚本」と本作への熱い想いを語る。
Story1
笑顔が満開の桜のように愛らしい新人美容師の美咲(松本穂香)に、半年前から淡い恋心を寄せていた晴人(中島健人)。美咲が晴人の施術を担当することになるが、不意の出来事から美咲が晴人の耳たぶを切り落としてしまう……! 無事縫合されたものの、「私にできることならなんでもします」と平謝りする美咲。すると晴人は、「僕とデートしてください」と真正面からぶつかるのだった。
「脚本全体に溢れている温かさを感じ、胸がいっぱいになった」という松本さん。難病に侵されるという難役を見事に演じ切った。
Story2
最初は晴人の誘いに気乗りしなかった美咲だったが、彼の真面目な人柄を知り次第に惹かれていく。一方晴人も、美咲のおかげで一度はあきらめたカメラマンの夢を再び追い始める。順調にいくかに見えたふたりの恋だったが、突然美咲が、“人の何十倍もの早さで老いていく”という難病を発症。残酷すぎる現実を前に、美咲が下した決断とは? そして晴人の出した答えは……。
“人の何十倍もの早さで老いていく”。
ほんのわずかな時間しか美しく咲けない、
桜のような美咲。そんな彼女に想いを寄せる晴人。
ふたりの刹那の恋の行方は――
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Netflixにて2022年3月24日より
全世界独占配信
Netflix映画
「桜のような僕の恋人」
出演 中島健人 松本穂香
永山絢斗 桜井ユキ 栁俊太郎
若月佑美 要潤 眞島秀和
モロ師岡 / 及川光博
原作 宇山佳佑
『桜のような僕の恋人』(集英社文庫刊)
監督 深川栄洋
脚本 吉田智子
音楽 伊藤ゴロー
企画・製作 Netflix ©宇山佳佑/集英社
公式サイト
https://www.netflix.com/桜のような僕の恋人
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原作者 宇山佳佑
『桜のような僕の恋人』は、不思議な縁に導かれて花開いた小説です。そもそも、しがない脚本家だった僕が小説を書くようになったのも不思議な縁だとつくづく思います。
脚本家デビュー作を執筆後、原作漫画の出版社である集英社の編集長にお声がけ頂き、小説を書く機会をもらいました。もちろん自信なんてない。しかしせっかくのチャンスだからと下手なりに精一杯小説と向き合い、そうして書き上げた処女作『ガールズ・ステップ』はおかげさまで映画化もされました。その完成披露試写会の帰り道。担当編集者と新宿の小さな台湾料理屋で二人、ささやかな祝杯をあげていたとき、「実はどうしても書きたいお話があるんです……」と恐る恐る打ち明けたのが『桜のような僕の恋人』でした。
テレビの世界では自分の企画が通ることはほとんどありません。小説の世界も同じだと思っていました。しかし担当編集者は「じゃあ書いてください」と一言。あまりにあっさりしていたから驚いたのを今も覚えています。
もし脚本家デビュー作が別の作品だったら、担当編集者が別の誰かだったら、この小説は今も世に出ていなかったかもしれません。
不思議な縁は続きます。表紙のイラストを描いてくれたイラストレーターさんとの出逢いもそうです。「今日中に候補を絞らないと発売日に間に合いません!」と担当編集者と二人で途方に暮れていたとき、偶然ネットで彼女の絵を見つけたのがきっかけでした。あの表紙だからこそ、多くの方に届けることができ、そして、映画の主演俳優である中島健人さんとも出逢うことができました。
Netflixとの出逢いも縁に導かれたものでした。映画化を模索してくれていた集英社の担当者が、別作品で仕事をしていたNetflixのプロデューサーに本作を紹介したのがはじまりです。
ほんの小さな偶然の選択や出逢いが新たな縁を結び、いよいよ映画として花開く日を迎えようとしています。とても感慨深いです。
もうすぐ桜の季節――。この物語が世界中の方々と素敵な縁を結んでくれることを心から願っています。
宇山佳佑
うやま・けいすけ●小説家、脚本家