今月の目次
2020年1月号
(No.522)
2020年1月号(No.522)
毎月20日発売 本体83円+税
表紙/456(shigoro)
デザイン/松田行正+杉本聖士+梶原結実+倉橋弘
[今月のエッセイ]
武井照子
『あの日を刻むマイク ラジオと歩んだ九十年』
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[今月のエッセイ]何故この本を書いたのか
私は大正十四(一九二五)年、日本でラジオ放送が始まった年に生まれました。そして、太平洋戦争真っ只中の昭和十九年九月(一九四四年)、半年繰り上げ卒業を機に、NHK十六期アナウンサーになりました。出陣学徒壮行会が神宮外苑競技場で行われた翌年です。私は国内向けの番組や、真夜中の短波放送などを担当し、空襲警報の出るなかで懸命に働きました(五月にはNHK東京放送会館も焼夷弾攻撃に遭いましたが、みんなの力で延焼を防いだのです)。
敗戦となり、それから一カ月近くたった九月二十日、NHKはGHQ、民間情報教育局の指導のもとにおかれました。十月十日、新しい「婦人の時間」の番組がスタートし、私はそのアナウンサーに抜擢されたのです。