青春と読書 本の数だけ、人生がある。 ─集英社の読書情報誌青春と読書 本の数だけ、人生がある。 ─集英社の読書情報誌

定期購読のお申し込みは こちら
年間12冊1,000円(税・送料込み)Webで簡単申し込み

ご希望の方に見本誌を1冊お届けします
※最新刊の見本は在庫がなくなり次第終了となります。ご了承ください。

新連載/本文を読む

集英社オレンジ文庫10周年記念企画
大友花恋かれん 柑橘の文字をかじる
①『魔法使いのお留守番(上)』白洲 梓・著

[新連載]

集英社オレンジ文庫10周年記念企画
柑橘の文字をかじる

①『魔法使いのお留守番(上)』

 冒険から帰ってきた。
 大陸の最果て、青い海の向こうの終島はてじまには、竜の生き残りのクロと青銅人形のアオが暮らしており、世界で一番と言われる大魔法使い・シロガネの帰りを待っている。
 私は、先ほどまで、透明人間となり、彼ら二人とそこに偶然流れ着いた記憶喪失の少年・ヒマワリの暮らしや冒険を密やかに見つめていたのだ。
 心奪われる本と出会った時、透明人間の感覚はよりクリアになる。物語の全てを俯瞰できる、透明人間の視点。全てを見聞きできる読者は、スパイの取り引きも、秘密の恋も、殺人現場で起きたことも、登場人物の心のうちも知ることができる。豊かな表現力によって物語に引き込まれ、自分がどこにいるのかわからなくなればなるほどよい(ヒマワリが魔法画の中に入って、ともにダンスを踊るように)。それを味わうことが、本を読むことにおいて一番の幸福であり、本の虫たちがむさぼるように言葉たちを渇望してしまう要因なのだと思う。『魔法使いのお留守番』の魅力に、見事に引き込まれた私は透明人間になり、終島で彼らとともに暮らしていた。 (抜粋)

集英社オレンジ文庫10周年アンバサダー・大友花恋さんによる作品紹介の続きは、公式HPに掲載。ぜひ、ご覧ください。
https://orangebunko.shueisha.co.jp/book/kankitsu_no_moji

大友花恋

おおとも・かれん●1999年10月9日生まれ、群馬県出身。
雑誌「MORE」専属モデル。ABEMA「今日、好きになりました。」レギュラー見届け人。2024年は「厨房のありす」(NTV系)、「三屋清左衛門残日録8」(日本映画+時代劇 4K)に出演。他にも映画やバラエティなど、活躍は多岐にわたる。

『魔法使いのお留守番(上)』

白洲 梓 著

集英社オレンジ文庫・発売中

定価836円(税込)

購入する

TOPページへ戻る