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青春と読書×藝大生コラボレーション
第14回は、工芸科2年の作品
30歳で藝大を知り、31歳で入学 すべての経験を活かしたい!

[連載]

第14回カバーアーティスト
阪尾瑞穂さん

30歳で藝大を知り、31歳で入学
すべての経験を活かしたい!

「石」で作った月に、蟹のモチーフを組み合わせて、ブックエンドを作りました。
 白と赤のトラバーチンという石を使っています。独特の質感のかわいい石で、見た瞬間、月の表面みたいだなと思いました。
〝月といえば蟹〟……と連想したのは、私が蟹座だからかもしれません。そしてブックエンドにしたのは、石の重みを使いたいと思ったからです。
 石自体はとても大きなもので、月と蟹の形を機械でくりぬいたり、彫り起こしたりして作っていきました。サイズは縦横各30センチくらいで、実際に使えるように裏面は平らなままになっています。最近は、生活に近いものに関心が向かっていますね。
 この作品は大学の課題授業で作ったものなので「石」を使いましたが、私自身の専攻は「陶芸」です。
 私は30歳で藝大を知り、31歳で藝大に入りました。もともとは文化服装学院を出てアパレルで数年働き、台湾でワーキングホリデーを経験した後、言語関係の仕事をしていたらコロナ禍になったんです。家で料理やお酒を楽しむうちに身近な芸術である陶芸に興味を持ち、やりたいなあと思っていたら「じゃあ、藝大行ったら」と、夫に薦められて。恥ずかしながら初めて藝大の存在を知り、やってみよう! と。
 陶芸には、怖いと思うくらい、無限の選択肢があり、可能性があります。自分の過去のさまざまな経験をすべて、陶芸に活かしていきたいと思っています。

聞き手・構成=砂田明子/撮影=木内章浩

<藝大生に聞く!Q&A>

Q 好きな本
『ジヴェルニーの食卓』(原田マハ 著)、浅田次郎さんの本

Q 興味のあること
陶芸!

Q 憧れのアーティスト
ルネ・マグリット、アレキサンダー・マックイーン、ジョン・ガリアーノ

Q 東京藝大はどんな大学か
あそび場!

Q 今後の展望
山で猫とすごしながらツボ焼いて、たまに里に下りてきて売る生活を送りたい

阪尾瑞穂

さかお・みずほ●1991年生まれ。
沖縄県出身。東京藝術大学美術学部工芸科2年。「さかお」名義でマンガ「30才からの東京藝大入学。」シリーズを配信。
Instagram/@_ruisui_

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