[連載]
第8回カバーアーティスト
阿部れいなさん
動物の骨が訴えかけてくるもの
表紙には、私の好きな、動物の骨を描きました。
3つの動物の骨を重ねて描いています。手前にハヤブサの骨、真ん中にマーラという、カンガルーに似ているけれどカピバラと同じ
東京駅の近くに、インターメディアテクというミュージアムがあります。ここに展示されていた動物の骨格標本を見て、描きたい、と思いました。ごちゃっとしていて少しわかりにくいかもしれませんが、骨の交差が作るシルエットも面白いと思ったので、3つの動物の骨を選び、春を意識して、爽やかなターコイズ系の色で仕上げました。
絵を描く対象として、生きているものより、死んでしまった人や動物に惹かれます。もう言葉を発することができないぶん、体が持っている機能美や、時代に淘汰されて残った形状の美しさ、そういったものが強く静かに訴えかけてくるように感じます。
私は日本画を専攻していて、この表紙絵は、日本画の画材である「岩絵具」を、
高校生のときに授業で日本画を体験して、日本画専攻を決めました。岩絵具や
聞き手・構成=砂田明子/撮影=木内章浩
<藝大生に聞く!Q&A>
Q 好きな本
『流れ星が消えないうちに』(橋本紡 著)
Q 興味のあること
動物の骨、デジタルイラスト、VTuber(夢追翔)
Q 憧れのアーティスト
髙島圭史
Q 東京藝大はどんな大学か
絵が好きな人がたくさんいて居心地が良いところ
Q 今後の展望
まわりに左右されずに、自分が良いと思える絵を描いていけたらと思います
阿部れいな
あべ・れいな
2001年生まれ。埼玉県出身。東京藝術大学美術学部絵画科3年。
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