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青春と読書×藝大生コラボレーション 
第7回は、デザイン科2年の作品
姉のために作った、怖くない鉛筆

[連載]

第7回カバーアーティスト
後藤拓真さん

姉のために作った、怖くない鉛筆

 表紙の作品は「鈍筆どんぴつ」です。先端があまり尖っていない鉛筆ということで、僕がそう名付けました。
 これは大学の「ペルソナ」という課題で作ったものです。誰か一人のためにデザインをする、というテーマの課題だったので、じゃあ僕は姉のために何か作ろうと。
 姉はアニメーターで、仕事柄、鉛筆をよく使うのに、先端恐怖症なのです。鉛筆の先端とか、陳列棚のフックなどが怖いらしい。そんな姉が怖くないような、尖ってない鉛筆を作ってみようと思いました。
 姉がいなかったら、僕は今、美大生をやっていないと思います。進路を考える時期にデッサンを教えてくれたり、助言をくれたりした姉の存在は、とても大きかった。
 それから、木材を加工する機械「木工旋盤」を使ってみたい、とも思いました。木工旋盤で角材を丸く削り、中をくりぬいて3色のクーピーペンシルを入れたので、この鈍筆は実際に描けます。ソフトボールくらいの大きさで、実はめちゃくちゃ描きにくいんだけど、楽しい(笑)。姉に見せたら「かわいい」と喜んでくれました。
 寄木細工など、木を使ったデザインや作品に惹かれています。材木屋に行って、紫、緑、オレンジ……と、色も形もさまざまな木を見ると、テンションが上がりますね。レーザー彫刻などの加工機材にも興味があります。木の個性を活かし、木にあった機材を駆使して、デザインを考えたり、作品を作るのが楽しくて仕方ありません。

聞き手・構成=砂田明子/撮影=木内章浩

<藝大生に聞く!Q&A>

Q 好きな本
『脳内革命――脳から出るホルモンが生き方を変える』(春山茂雄 著)

Q 興味のあること
寄木細工

Q 憧れのアーティスト
岡本太郎

Q 東京藝大はどんな大学か
人間的にもやっていることも個性があふれていて楽しい場所

Q 今後の展望
いろいろな種類の木を使って作品を作りたい

後藤拓真

ごとう・たくま
2000年生まれ。神奈川県出身。東京藝術大学美術学部デザイン科2年。
X/@takuman_1003
Instagram/@5lot._.bear

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