[本を読む]
わからないまま思いやること
わりと大人になってから友達に絶交されたことがある。「この子は危なっかしい」とあれこれお世話していたら「見下さないで」と連絡を絶たれたのだ。いつのまにか私はその子を
親戚の伸吾が社長を務める吉成製菓に、前職でつまずいた
伸吾は父である会長の言いなりで、パートの亀田は事なかれ主義。茉子の家に入り浸る友人・
「他人は茉子の知り得ないその人自身の時間を真剣に生きていて、そのあいだにさまざまなことを吸収したり乗り越えたりして、前進し続けているのだ」
主人公に正され、励まされ、成長させ
探究の中で見出される「他人の期待を自分の義務にしてはいけない」「『人それぞれ』なんて言葉は、問題の本質から目を逸らすための都合の良い言い訳」などの
清 繭子
きよし・まゆこ●ライター、エディター