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青春と読書×藝大生コラボレーション
第5回は、工芸科2年の作品
伝統技法「型染」で生み出した迫力と神秘の羊たち(実はヤギ!?)

[連載]

第5回カバーアーティスト
戸部日向子さん

伝統技法「型染」で生み出した
迫力と神秘の羊たち

 表紙の作品は、「型染」という、日本の伝統的な染色技法を用いて制作しました。
 私の「型染」方法を簡単に説明しますと、まず、厚さ1ミリくらいの紙に図柄を彫って(切り抜いて)「型」を作ります。写真で私が手に持っているのが「型」です。
 布の上にこの「型」を置いて、もち米などで作った糊を塗っていきます。図柄を切り抜いた部分に糊がつきます。
 次に、型を外して染料で染めます。そうすると、糊を塗られていない部分が、染料で染まることになります。
 最後に糊を洗い落します。型の、切り抜いてない部分だけが色に染まった布の出来上がりです。
「型染」は大学の課題で、テーマは「生き物」と決まっていました。図柄がすべてつながっている型を作るので、“つながり”から細胞や線維束をイメージし、毛がホワホワ集まっている羊を思いつきました。
 それから、立体感を出したいと考えました。布なので平面なのですが、迫力、奥行き、厚み、光を表現したいなと。そう思って羊をデザインしていたら、のめり込みすぎたのか、課題違反になるくらいの大きさの型になっていました。左右対称に染め上げたのが表紙の作品です。
 出来上がって気づいたのは、羊ではなくヤギだったこと! 自分のうっかりに呆れましたが……、作品には満足です。

聞き手・構成=砂田明子

<藝大生に聞く!Q&A>

Q 好きな本
星新一さんの本

Q 興味のあること
楽器の製作、演劇やダンスによる身体表現

Q 憧れのアーティスト
塩田千春さん、舘野泉さん、Philip Jacksonさん

Q 東京藝大はどんな大学か
自分の感性に噓をついたら居られない場所。そこが好きです

Q 今後の展望
作品と接した人が違う自分に気づいたり、出会えるような空間や体験を作りたい!

戸部日向子

とべ・ひなこ
2001年生まれ。東京都出身。東京藝術大学美術学部工芸科2年。
X(旧Twitter)/ @TobeHinako Instagram / @toto.rororo

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