青春と読書 本の数だけ、人生がある。 ─集英社の読書情報誌青春と読書 本の数だけ、人生がある。 ─集英社の読書情報誌

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青春と読書×藝大生コラボレーション
第4回は、デザイン科2年の作品
“生きているだけでいい そう思わせてくれた「ハリネズミ」”

[連載]

第4回カバーアーティスト
池田桃果さん

生きているだけでいい
そう思わせてくれたハリネズミ

「1月号」から、まず初夢をイメージしました。新しい年に新しい夢を持ちたいとも思い、「夢」をテーマに決めたところで、ハリネズミが思い浮かんだのです。
 描いたのは、今年の春ごろまで私が飼っていたハリネズミのジョーです。残念ながら亡くなってしまいましたが、一日のほとんどを寝て過ごしている姿が印象深くて、その姿を描きたいと思いました。寝ながら喋ることもあったんです。そう聞こえただけかもしれませんが、きっと寝ながら何かを夢見てるんだろうと想像していました。
 私は家の中で飼っていましたが、絵の中では自然の中で眠らせています。草の上でのびのびさせてあげたかったし、室内光より清々しい太陽の光を描くほうが、未来への期待を感じさせる、新年にふさわしい絵になるのではないかと考えました。
 ハリネズミを飼い始めたのは浪人時代です。精神的に辛いとき、ただ生きているだけで満足そうなハリネズミを見て、最悪、受験をやめてもいいよなって思えたんです。そう思うと気がラクになって、むしろ頑張ることができました。
 子供のころから生き物が好きでした。虫や動物は見ているだけで面白いし、彼らを通して、自分とは何かとか、人間とは何かを考えることがあります。最近は、大学近くの上野動物園によく行きますね。
“ジョー”の由来は、宍戸錠と久石譲と同じ誕生日だから。ジョー、ありがとうね。

聞き手・構成=砂田明子/撮影=木内章浩

<藝大生に聞く!Q&A>

Q 好きな本
『星の王子さま』

Q 興味のあること
動物、植物、解剖学、3DCG

Q 憧れのアーティスト
本秀康さん、山田花子さん

Q 東京藝大はどんな大学か
想像以上に自由で、個性やそれぞれのやりたいことを重んじる大学

Q 今後の展望
たくさんの人や文化や自然に触れて、自分が本当に好きなものやできることを探したい

池田桃果

いけだ・ももか
2000年生まれ。東京都出身。東京藝術大学美術学部デザイン科2年。
X(旧Twitter)/@joe052908
Instagram/@5gatsu_ikeda

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