[新連載]
空想の世界に遊ぶ、
私らしい表現を
「青春と読書」というテーマに添いつつも、私らしい絵にしたい。そう考えて、青春や読書をそのまま描くのではなく、私の好きな空想の世界、それから読書のもつ想像の世界へとイメージを広げていきました。
まず浮かんだのが、女の子が好きな服を着て、好きなものに囲まれて、大海原にぷかぷか浮かびながら、優雅に本を読んでいる……といったイメージです。
女の子にはドレスを着せましたが、隣にセーラー服を描いたのは、青春の代名詞であるとともに、私の憧れだからです。私の高校の制服はブレザーだったので、セーラー服、着たかったなあと思って。猫のキャラクターは、描いているうちにたまたま生まれました。実際の猫も大好きですが、ぬいぐるみのような猫にしたくて、目をボタンぽくしたり。空想と実在のあわいにいるような、この絵の世界観に合う、動き出しそうな猫が描けたと気に入っています。絵全体の色使いにもこだわって、鮮やかな世界が表現できるよう調整を重ねました。
絵を描くのは5歳の頃から好きでした。子どもの頃からアニメを真似たり、オリジナルのキャラクターを作って動かしたりしていましたね。絵では現実世界にとらわれすぎず、自由に発想したいんです。大学には個性豊かな人が多いので、全部吸収してやろうという気持ちで楽しんでいます。面白い視点や技術をインプットして、その上で自分の形にして。そうやって自分らしさを磨いていけたらと思っています。
聞き手・構成=砂田明子/撮影=木内章浩
<藝大生に聞く!Q&A>
Q 好きな本
東川篤哉さんの小説
Q 興味のあること
アニメーション・イラストレーションの制作。『呪術廻戦』!
Q 憧れのアーティスト
藍にいなさん
Q 東京藝大はどんな大学か
あらゆる個性と表現を受け入れてくれる学校
Q 今後の展望
ありきたりだけど超~有名になって作品をたくさん知ってもらう!
大岩みさと
おおいわ・みさと
2001年生まれ。広島県出身。東京藝術大学美術学部デザイン科2年。