[本を読む]
今度の捜し物は「ママ」?
霊感事件簿第二弾!
占いで捜し物をする
前作で和樹と白雄に血のつながりがないことと、白雄に霊感と特殊能力があることが語られた。何より、他者への共感能力がなくサイコパスめいた白雄が、陽キャの和樹にだけは
第二弾は、小説家でもある和樹の担当編集者・
というわけで、四人組+松崎、そして前作にも登場したドルオタ警察官も一緒になっての大騒ぎが始まる。
相変わらずのコミカルな乗りで、実に楽しい。だが目を引くのは、その楽しさの中に忍び込む「異質なものの排除」の描写だ。家庭に
しかし、その線を消したり飛び越えたりするのもまた人なのだと、本書は力強く
人は、他者との出会いを通して変わることができる│それは前作でも語られたことだった。であるならば、サイコな白雄も今後変わってゆくのだろうか。彼を変えるものは和樹なのか、それとも別の誰かなのか。興味は尽きない。
なお、白雄の秘密についても何やら展開がありそうな気配だが、これは次巻への持ち越しだ。ああ、また次が出るまで待たねばならないのか!
大矢博子
おおや・ひろこ● 書評家