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インタビュー/本文を読む

水晶玉子 『水晶玉子のオリエンタル占星術 幸運を呼ぶ366日メッセージつき 開運暦2020』

[インタビュー]

世の中の大きな変化を恐れず
前向きに受け入れるために

空海が日本に伝えた宿曜経を現代に生かし、オリジナルの占い〝オリエンタル占星術〟を編み出した、水晶玉子さん。長らく雑誌で愛されてきたオリエンタル占星術は書籍化されて今年で4年目。シリーズ累計36万部を超える大人気。誕生日から割り出された27の「宿しゆく」別に366日の運気が細やかに記されているほか、1年の運気や時代の流れもズバリと教えてくれます。この本の著者・水晶さんに、激動が予測されるという2020年について、変化する運気を乗りこなす秘策を伺いました。

聞き手・構成=芳麗
撮影=chihiro.
星の子制作=カイフチエリ

2020年は社会も個人も大変化

─ シリーズの刊行開始から4年を迎えた『水晶玉子のオリエンタル占星術 開運暦』ですが、反響はいかがですか?

 たくさんの方に読んでいただいている実感がありますね。女性誌で連載していた時は若い女性読者が中心でしたが、書籍版の読者は男性や高齢の方もいて。その分、「文字が小さい」「もっと自分の宿のページが欲しい」とかいろいろなご要望をいただくようになったんですけど、それも嬉しいです(笑)。

─ 2020年はどのような年になりそうですか?

 元号は「令和」となり、東京オリンピック・パラリンピックも開催されますし、時代の転換期になりそうですね。オリエンタル占星術では、「ひつ」の年。「終生」という意味合いがあるこの星に命宿が巡るのは「ずっと変わらないだろうと思っていたことが変わる」という暗示があります。十二支も、始まりのねずみ年ですし。西洋占星術でも20年に一度のグレートコンジャンクション(木星と土星の重なり)が、「風」の星座の水瓶座で起きます。グレートコンジャンクションはこれまで約200年ずっと「土」の星座で起きていたんです。「土」の星座は形あるものの象徴で、200年前を振り返ると、世の中はヨーロッパの産業革命など、道具とか物質面での変化が進みました。一方、「風」の星座は、精神とか思想を司ります。これからは、物事の捉え方、考え方とかが大きく変わっていくはずです。

─ 物質以上に精神の変化が鍵ですね。

 はい。だから、何かしら大きい変化が起こるはずです。個々もそうだし、社会のあり方もそう。来年が起点となって、ここから先、長らく大きく変化していくイメージです。

変化と不変の両方を学ぶ

─ 予測もつかないほどの大きな変化とは、何だか怖くもあります。

 不安はありますよね。実際に来年は変化が大きい分、ピンチも増えてしまう暗示もあります。オリエンタル占星術で言えば、「七曜陵逼しちようりようひつ」という波乱を呼びやすい期間が2020年は通常よりも多くて、6回もある。でもね、不運な時期を過剰に恐れないで欲しいんです。ピンチは生まれ変わりのチャンスでもありますから。

─ 本書の巻頭でも、「ピンチはチャンス」と綴られていましたよね。

 私の座右の銘なのですが、今年は、みなさんにも胸に留めて欲しい言葉だなと。そもそも、書籍版のオリエンタル占星術もピンチから生まれたもの。それまで連載していた雑誌の形態が変わって、この占いの連載もなくなったんです。十数年も続いた連載ですし、愛着もあったので、当時はとても落ち込みましたけど……。そんな時に書籍化の話が巡ってきて、こうして、より多くの人に読んでいただけるようになった。〝捨てる神あれば、拾う神あり〟ですし、まさに〝ピンチはチャンス〟でした。

─ では、変化や不安の多い時代を乗りこなして、ピンチをチャンスに変えるには、どうしたら良いでしょうか?

 まずは、変化することを恐れすぎず、前向きに受け入れることです。『オリエンタル占星術』には、毎日のアドバイスがありますが、それを読んでいただけたら、日々は変化していくことがきっとわかりますよ。

─ 変化するからこそ、一日一生。

 そうです。あらゆる占いを学び続けて、私が最も感じたのは、「変わっていくものと変わらないものとが一緒になって世の中とか人生ができている」ということ。変わっていくものの象徴は、肉体など形あるものであり、変わらないものの象徴は精神など形のないものですよね。人間はどんなに必死でアンチエイジングしても老化はするし、やがて土に帰る。でも、たとえば、子供の時と同じ夢を死ぬまで持つことはできるでしょう? 体は古くなっても感性や感覚は錆びないかもしれない。この世の中もそう。今、芸能界やメディアも大きく揺らいでいますけど、表現する人や媒体は変わっても、表現の素晴らしさや、それに感動する気持ちは変わらないはずですから。

─ ホントですね。

 だからね、世の中の大きな変化を恐れずに受け入れることも大切ですけど、無理に合わせようとしないことも必要ですよね。大きく変わっていくものの中で自分が何を大切にしたいのか。変わりたくない精神は何なのかも考えると、変化もそんなに怖くなくなると思います。

─ 柔軟に対応しつつ、流されないことが大切でしょうか?

 はい。不運も幸運も生かすには、柔軟さが必要ですけど、柔軟な人ほど何かしら動かない信念を持っていますから。自分の信念を突き詰めておくと良いかもしれません。それから、本書にも書きましたが、自分なりの目標やゴールを設定しておくといいですね。不安な時代や不運な時は、つい目の前のことしか見えなくなって、足元がおぼつかなくなるけど、少し先に目標があると、揺れる時代も歩きやすくなるかなと。小さなこと、簡単なことで良いんです。毎日花に水をあげるくらいのことでOK! 続けることが生き抜く力になるし、達成できたら自信になりますから。自己肯定って、すごく大事ですよ(笑)。

占いを頼りになる友達に

─ 本書もそうですが、水晶さんの言葉は、鋭くも優しくて励まされます。

 そう感じていただけるのは、私自身がダメな人間だからかもしれません(笑)。何かと失敗しちゃうし、コンプレックスも多くて自信もない。でも、生きていかなくちゃいけないから。占いの中に恐怖のアドバイスではなく、人生の糧や励ましを探すようになったのかも。みなさんにももっと自己肯定して欲しいし、占いがその助けになると嬉しいなと。他人に頻繁に愚痴は話せないし、励ましも求められないから、占いを味方に! 悪いことがあっても、「そんな時期もある」と慰められ、「次はこうしてみたら」と励ましてもらう。占いって少し説教くさいけど(笑)、割と頼りになる友達だと思ってもらえたら嬉しいですね。

水晶 玉子

すいしょう・たまこ●占術研究家。
東洋・西洋の枠を超えて、数々の占術を研究。1998年、オリジナルの占い「オリエンタル占星術」を発表し大反響を呼ぶ。独自の視点にたった分析は的中率も高くわかりやすいことから多くのファンを持ち、女性誌の占い特集、携帯占いサイトなどでも大人気。1年分の全運勢カレンダーが掲載された『水晶玉子のオリエンタル占星術開運暦』はシリーズ累計36万部を突破。その他著書にエッセイ集『いいことばかり起きる女になる!』等がある。

『水晶玉子のオリエンタル占星術
幸運を呼ぶ366日メッセージつき開運暦2020』

水晶玉子 著

発売中・単行本

本体1,400円+税

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